写真講師が教えるSNS映えに左右されない写真を撮るための考え方

  • 2022年8月14日
  • 2022年8月14日
  • コラム

こんにちは、中西です。

写真教室をしたり、カメラマンとして相談を受けていると「映える写真を撮るにはどうしたらいいですか?」と聞かれることがよくあります。

いわゆる「SNS映え」というやつですが、流行ってますよね。
(ピークを過ぎて落ち着いた感はありますが)

別にSNS映えを否定しませんし、「誰かに写真を見てほしい」「写真を評価してもらいたい」というのは、カメラを続けるうえで大切な原動力だと思います。
ただあまりにSNS映えに埋め尽くされると、写真の多様性が失われそうで心配な面もあります。

今日は「SNS映えに左右されずにいい写真を撮っていくためには」というお話です。

写真が使われる目的を理解する

1つ目は「写真が使われる目的を理解して撮影する」ということです。

みなさんは素敵な風景や美味しい食事に出会ったとき、その感動をどうやって他の人に伝えますか?

文章が得意な人は日記やブログ(中には俳句とか風流な方もいるでしょう)、またある人は絵画や音楽ということもあるでしょう。
人それぞれ得意な手段やその感動を伝えやすいもので伝えると思います。
そういう意味では写真も1つの手段と言うことになります。

写真は自分の感動を伝える1つの手段であって、目的は「素敵な風景や美味しい食事に出会った感動を誰かに伝えること」です。

僕は「SNS映えにこだわりすぎる」=「本来の伝えるという目的を見失って、写真という手段に固執する状態」だと思っています。
本当は「伝える」という目的が大切なので、表現方法(手段)はその場面に応じたものや自分が伝えやすいものであればいいはずです。

ただ、これが趣味の撮影だと常に意識するのも難しいものです。
仕事だとまずは「〇〇を表現するメディアを作る」となったときに、イラスト・音楽・書・写真などの手段の中から最適なものが選ばれ、仮に写真が選ばれたとすると、伝えるものに相応しいイメージや構図、テイストなどが決められていきます。
そういう意味では、目的とそれを表現するプロセスが明確化されているので分かりやすいです。

しかし趣味として自分の感動やイメージを伝えていこうとすれば、難しいプロセスを考えることもあまり無いですし、感情やその場の雰囲気で撮りたいときも多々あります。
結果として「〇〇を伝えたい」という目的と写真を撮るという手段が乖離してしまうことが起きやすくなると思います。

「何を伝えたくて写真を撮るのか?そのために写真という手段が一番いいのか?」というのを常に考えることは難しいですが、時々は撮った写真を眺めながら見つめなおしてみるのもいいんじゃないでしょうか?

撮った写真が何年か後にどう受け止められるかを考える

2つ目は「撮った写真を何年か後に自分が見た時、人に見てもらった時、どういうふうに思われるか想像して撮る」ということです。

写真に限らず「何かを記録する」と言うことは、「何年か後に記録したものを振り返るかもしれない」ということです。
時間の経過を経て写真を見ると、撮った時の感動が蘇ってくるかもしれないし、また全く別の思いが出てくるかもしれません。

例えば自分はカメラを本格的に始めて約10年になりますが、始めたころに撮った写真が今になって評価していただいたり、役に立ったりということがあります。技術的には拙い写真なのですが、確かに10年という時の経過を経てみると記録としては価値のあるものなのかもしれません。

そういう意味では、写真館できっちりと撮る型物写真やイベントの最後に撮る集合写真も将来見返されることを想定したもので、時を経てこそより価値が増していくものだと言えます。

SNS映えが言われる中で、速報性というか感動や思いをすぐに共有できるようになりました。ただその一方で、情報の速報性が重視される半面で数年後・数十年後を見据えた情報発信が弱まっているのではないかと感じています。

「SNS映えのような一瞬の感動を記録した写真」+「数年・数十年後に見返した時に感動が思い起こされるような写真」の両立が自分の写真活動の中でも大切になってくるなと最近つくづく感じています。

「写真」という懐の広い世界を楽しむ

おそらくカメラが発明されたとき、ここまで写真が一瞬で全世界に発信され、誰もが写真を撮れる時代が来ると誰が想像したでしょうか?
そういう意味では自分たちは凄い時代に生きていると思います。

もともとカメラは写真を記録し、ずっと後の後世に何かを伝えるものでした。そこに近年のインターネットやSNSの発達で、一気に速報性という魅力が加わりました。

そういう意味で「写真」というのは本当に懐の広いツールになっていると思います。
写真を通じて「今」が多くの人に共有され、「過去」が後世の人たちの力となっていくよう自分も写真活動をしていければと思っています。

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