梅雨の中ごろから梅雨明けにかけて魅力的な被写体と言えば、「蛍」です。
肉眼でゆったりと蛍の光を眺めるのも素敵ですが、一眼レフカメラなら肉眼では見えない幻想的な光の軌跡を写真に残すこともできます。
今回は、撮影前の準備から撮影設定、仕上げのレタッチ方法までを分かりやすくまとめます。
(あくまで初心者向けですので、よりこだわりたい方やレベルアップしたい方は適宜調整して撮影してみてください)
1. 蛍撮影に必要な機材
✅ 一眼レフカメラ(ミラーレスでもOK)
✅ 標準〜広角レンズ(明るいレンズがおすすめ)
✅ 三脚(長時間露光で必須)
✅ レリーズ(またはリモコン・セルフタイマー)
✅ 虫除け対策(蚊が多いです)
2. 撮影前の下準備
- ロケハンは日没前に
昼間のうちに撮影場所を確認し、安全に立てる場所を見つけます。
明るいうちにピントをどう合わせるかをチェックしたり、後述する比較的合成をされる方は明るいうちの写真を念のため撮影しておきます。 - 天気・風をチェック
無風〜微風の湿気がある日がベスト。
蛍は風が強いとなかなか飛んでくれません。 - 服装は長袖長ズボン
虫除けと夜露対策のために少々暑いですが、露出が少ない服がおススメです。
虫除けスプレーや蚊取り線香などは蛍にも影響が出る可能性があるため、使わないことをおススメします。
3. 撮影現場でのポイント
- 三脚をしっかり設置
地面が不安定だとブレの原因になります。 - 光害を避ける
街灯や車のライトが入らない場所を選びましょう。 - 蛍を驚かせない
懐中電灯やスマホの灯りは必要最小限に。
4. 設定の基本例

蛍撮影のポイントは長時間露光。
光の軌跡を残すために、こんな設定から試してみましょう。
項目 | 設定例 |
---|---|
モード | M(マニュアル) |
シャッタースピード | 15〜30秒(状況に応じて数分のバルブ撮影も可) |
絞り | F2.8〜F5.6(背景の明るさと被写界深度のバランスで) |
ISO感度 | 100〜1600(ノイズと露出を見ながら調整) |
ピント | MF(マニュアルフォーカス)で無限遠付近。できれば明るいうちに決めておいて、固定しておくのがおススメです。 |
📸 コツ
- 何枚も撮っておき、後で比較明合成すると綺麗に光跡を重ねられます。数秒ごとに連続してシャッターを切ってくれる「インターバル撮影」を使うのも1つの方法です。
- フォーカスは明るいうちに合わせておくと安心。
5. 自宅でのレタッチの流れ
🌟 使用ソフト例
Lightroom / Photoshop / Luminar / GIMPなど使い慣れたものを使ってください。比較的合成を使う際には専用のソフトも出ていますので調べてみてください。
- RAW現像で基本補正
- ホワイトバランスを整える(冷たすぎると夜の雰囲気が失われるので注意)
- 露出・コントラストを微調整
- ノイズを軽減(長時間露光はノイズが出やすいです)
- 比較明合成(複数枚撮った場合)
- Photoshopなどで比較(明)レイヤーを重ね、光跡を合成します。
- 仕上げの微調整
- 蛍の光跡を際立たせるためにハイライトや彩度を少しプラス
- 黒つぶれしすぎないようにシャドウも調整
- 必要に応じてトリミング
photoshopを使った比較的合成の方法

①合成に使う写真を1つのフォルダにまとめておく(RAWデータでも合成できますが、データが大きすぎる場合はJPEGに変換してからという方法もあります。またLightroomからPhotoshopに読み込む方法もあります)

②「ファイル」⇒「スプリクト」⇒「ファイルをレイヤーとして読み込み」に進みます

③「フォルダ」⇒「参照」と進み、あらかじめまとめておいたフォルダからデータを選択します

④Photoshop内にフォルダ内のデータが読み込まれるので、全選択します

⑤右のレイヤーの描画モードの中から「比較(明)」を選ぶと合成が始まります

⑥比較明合成が終わりました。ファイル名の左にある目玉のようなボタンを押すと、そのレイヤーを非表示(合成に含まない)の選択ができます。余分なレイヤーがあれば非表示にして、明るさや色の調整を行ってください。
6. 蛍撮影の注意点
✅ 撮影場所のマナーを守る
✅ ゴミを残さない
✅ 蛍は生き物なので採ったり持ち帰ったりしない
✅ フラッシュは厳禁!蛍が飛ばなくなります
✨まとめ
蛍の撮影は準備と場所選びがとても大切。
撮影後のレタッチで、さらに自分だけの幻想的な一枚に仕上がります。
ぜひ、夏の思い出を素敵な写真に残してみてください