2015年3月の北陸新幹線開業以来、首都圏からも訪れやすくなった金沢。
古い伝統と歴史のある街並みと近代的な建築が融合した独特の景観が魅力です。
近年では着物のレンタルサービスも利用しやすくなり、古民家が並ぶ茶屋街などを観光しながらポートレート撮影!という楽しみ方をされている方も多いですね。
今回はそんな魅力的な街・金沢を中心に活動するロケーションフォトカメラマン推薦の7つのスポットをご紹介します。
最後には金沢で撮影する際にちょっとだけ気をつけた方がいいことも書きましたので、目を通していただけるとうれしいです。
おすすめスポット7選
ひがし茶屋街
おすすめ度 ★★★★★
撮影しやすさ ★★★
おすすめポイント 早朝や夕方の風情。日没後のライトアップが美しい
金沢でも代表的な観光地。昔ながらの古民家を利用したカフェや料亭、おみあげ物屋さんが立ち並び、連日多くの観光客で賑わっています。
意外とおすすめなのがメインストリートから一歩入った裏路地散策(住民の方のご迷惑にならない程度に)。金沢独特の「狭いけどいい感じの道」が楽しめますw
北陸新幹線開業とともにツアー客の方も増えたので、昼間はかなり混みあいます。よってゆっくり散策したい方は早朝や日没後をおススメします。
個人的に一番のおススメは「雨の夜」。上の写真のようにしっとりと濡れた路面が光を反射するので、通り全体が輝いているように見えます。
茶屋街すぐそばの浅野川やそれにかかる「梅の橋」なども見どころ。こちらもライトアップされて美しいので、できることならお近くに宿泊して美味しい食事とお酒を楽しんだ後にライトアップを見ながら散策・・・というのが通ですね。
主計町茶屋街
おすすめ度 ★★★★★
撮影しやすさ ★★★★★
おすすめポイント 早朝の雰囲気。日没後のライトアップが美しい。
ひがし茶屋街より比較的人が少なく、散策しやすい。
主計町=かずえまち と読みます。ひがし茶屋街から浅野川大橋を挟んで逆側にある茶屋街です。ひがし茶屋街よりは少し小規模で、料亭が並んでいます。
こちらも早朝の雰囲気、日没後のライトアップが美しく雨の日の雰囲気も素敵です。
またこちらも狭い裏路地が隠れた名スポットになっています。それに加えて「暗がり坂」「あかり坂」など渋~い階段や雨の日に傘をさして歩くととても絵になるような道が続いています。
ひがし茶屋街に比べ、観光客で訪れる人は少なめ(これから増えるかも?)なので、じっくり撮影したい方にはかなりおススメします。
兼六園&金沢城公園
おすすめ度 ★★★★★
撮影しやすさ ★★★(兼六園) ★★★★(金沢城)
おすすめポイント 桜や紅葉、雪景色など四季それぞれ楽しめる。
四季それぞれにライトアップ期間あり(金沢城は通年)
こちらも金沢を代表する観光スポットです。前田利家の城として「加賀百万石」の中心となった金沢城、日本三名園の1つとして知られる兼六園を目当てに金沢を訪れる方も多いのではないでしょうか?
余談ですが、私が通っていた金沢大学は今の校舎に移転する前は金沢城公園の中にあったと言いますから驚きです。
やはり魅力は四季折々の自然と融合した景観美でしょうか。桜や紅葉、雪景色とお城や公園が一体となった景観は魅力的で四季それぞれに訪れたくなります。
時期がうまく合えば、夜間ライトアップもやっています。昼間とはまた違った兼六園、金沢城の表情を見ることができるので、もしご都合が合えばその期間中に金沢を訪れてみてはいかかでしょうか?
景観としては文句なしなのですが、やはりこちらも人気スポットだけあって昼間は人が多めです(金沢城は比較的すいている)。平日や早朝・閉園直前なら比較的人は少なめですので、そちらを狙うのもいいかもしれません。
プロのカメラマンに依頼をして写真を撮ってもらう際には、事前の撮影申請が必要になります。場合によっては許可が下りないこともありますので、撮影を依頼される方は事前に管理事務所へ問い合わせされることをおすすめします。
長町武家屋敷跡
おすすめ度 ★★★★
撮影しやすさ ★★★★
おすすめポイント 金沢らしい街並み。武士の屋敷跡もところどころで公開されている。
観光ツアーなどで人気のある金沢の代表的観光地です。商人の街である茶屋街とはまた異なり、武士の屋敷跡が立ち並ぶ雰囲気が魅力です。武士の屋敷跡はいくつか公開されており、無料で立ち寄れる場所もあります。
メイン通りなどは石畳で覆われていて、冬のシーズンには土壁を保護するための薦かけや樹木を守る雪つりが見られるのも特徴です。
ひがし茶屋街周辺よりは比較的観光客の数は落ち着いている印象で、撮影は比較的しやすい場所です。
国立工芸館&石川県立歴史博物館周辺
おすすめ度 ★★★★★
撮影しやすさ ★★★★★
おすすめポイント 金沢のもう1つの特徴であるレンガ造りや大正ロマンの雰囲気が楽しめる。
常に夜間ライトアップもされています。
金沢と言えば、ひがし茶屋街や兼六園などの江戸時代の雰囲気の印象が強いですが、もう1つの特徴である大正時代周辺の雰囲気が楽しめる場所です。
洋館チックな国立工芸館、レンガ造りの歴史博物館のほか周辺にもいくつか大正の雰囲気がある建物が散在しています。
このあたりは近年、「兼六園周辺文化の森」という名称で整備が進み、あたりを一体で散策できるルートが作られています。国立工芸館・歴史博物館周辺は兼六園に比べて人の数は少ないため、撮影しやすく着物の雰囲気にもぴったりです。
夜間は常時ライトアップされているので、夜に散策をするコースとしてもおススメできます。
金沢21世紀美術館
おすすめ度 ★★★★
撮影しやすさ ★★★★
おすすめポイント 最先端アート。無料スペースがかなり楽しめる。
雨の日も安心。
金沢市の中心街にある文化と芸術の発信地。建築、 現代美術、工芸など最先端の展示が数多く、館内をぶらっとしているだけでも自分がオシャレになったような感じがしますw
有料スペースでは著名な芸術家の写真展や絵画展、企画展が行われています。
無料スペースも同じくらい広く、天井が無い吹き抜けの空間「タレルの部屋」、独特の模様の市民ギャラリー、ウサギの耳のような形をした通称「うさぎ椅子」などちょっと変わったスペースが人気を集めています。
雨が多い金沢で天気を気にせず楽しめる場所ということでも貴重ですね。
無料で長時間ゆっくりできるというのも嬉しいところです。
ただ人気スポットということもあって、じっくり撮影するには厳しかったり、撮影禁止の場所もありますので事前にご確認ください。
プロのカメラマンに依頼をして写真を撮ってもらう際には、事前の撮影申請が必要になります。場合によっては許可が下りないこともありますので、撮影を依頼される方は事前に管理者へ問い合わせされることをおすすめします。
金沢駅
おすすめ度 ★★★★★
撮影しやすさ ★★★
おすすめポイント ライトアップが美しい。近未来的な雰囲気。
金沢の玄関口として多くの観光客の方がご覧になると思います。
兼六園口の方には鼓門(つづみもん)という名の立派な門があり、その地下は「もてなしドーム」というイベントスペースになっています。
宿泊されない観光客の方は夜の姿を見ずに帰られるかもしれませんが、ぜひ一度ライトアップの美しさを楽しんでいただきたいところです。
「世界で最も美しい駅」の1つに選ばれた夜間ライトアップは、伝統を感じさせる渋さと近代的な光の融合が作り出す芸術です。
基本的には通行人が多いのでじっくり撮影するのは難しいかもしれません。地下のスペースの方はわりとじっくり撮影することができそうです。
金沢で撮影する際に注意した方がいいこと
雨への対策を忘れずに
金沢はとても雨の日が多い地域です。たぶんみなさんが思ってる倍は雨の日があるはずw
だからといって「雨だから撮影はやめよう」とならないでください。むしろ雨の金沢の渋い雰囲気を楽しんでいただきたいと思います。特にひがし茶屋街などの金沢独特の夜景は雨が降るといっそう輝きを増すので、ぜひ狙っていただきたいと思います。
雨対策をして撮影をお楽しみください。具体的にはよく言われるシャワーキャップのほか、レジ袋などでカメラを保護することやタオルは多めに持っていくことでしょうか?これくらいでしたらコンビニでも普通に置いてありそうなので、対策がしやすいと思います。
ポートレート撮影の場合はモデルさんへのケアも必要ですね。着物のレンタルサービスを利用される場合は、お店の方で傘や足回りなどの雨対策をしてくれることも多いので、雨が心配ならぜひご相談されるといいと思います。
がっつり撮影したい場合は管理者にご一報を
有名な観光地ではよくあることのようですが、金沢でも観光客が増えたことによって撮影をめぐるトラブルが時々あると聞きます。
例えば「許可をしていないのに道をふさいで撮影しているカメラマンがいる」「夜中にストロボを何回も光らせて迷惑だ」という声もありました。
いい角度の写真を撮ろうとするあまりに、民家の敷地や立ち入り禁止の場所に入るカメラマンがいるという話も聞きました。
特に金沢の観光スポットは観光地と住民の方の生活空間が隣合っていることも多いので、こういう声もあるのだろうと思います。近年は金沢だけでなく、さまざまな観光地でカメラマンのマナーが悪く、最悪の場合は立ち入り禁止や撮影禁止といった悲しい事態になっているところも出てきたと聞きます。
やはり素敵な写真を撮影できるかけがえのない場所はカメラマンみんなで守っていきたいものですね。
いくつかの観光スポットの管理者の方とは仕事上もお付き合いがあり、カメラマンのマナーのお話しもするのですが、けっこう感情の問題が大きいのかなと感じています。撮影をすることについて、とりあえず一声かけてご挨拶しておくだけでも違います。
撮影についてはどのような許可を取ればよいのか、どこに挨拶をすればいいのかはそれぞれのスポットで違いますので、分からないことがあれば観光協会などに問い合わせをされることをおススメします。
このほかにもおすすめしたいスポットはたくさんあったのですが、とりあえず「金沢らしいポートレート撮影ができる場所」ということで絞らせてもらいました。
これまでも仕事・プライベートを問わず、金沢の街を舞台にロケーションフォトを撮影してきましたが、本当にポートレートにぴったりの街だと思っています。特に個人的には、「着物」「傘」「雨」という3つが組み合わさった撮影が本当に好きですね。
これまで撮影した着物写真の一部
⇒ https://kazuyami77-portrait.myportfolio.com/kimono
撮影のご依頼もお受けしておりますので、興味を持たれた方は お問い合わせフォーム よりご連絡ください。ご希望に応じて最適なロケーションやプランも提案させていただきたいと思います。
*最後に、人物撮影向けのおすすめスポットをまとめたマップを載せておきますので、参考になさってください。