数年前から金沢の街なかで着物を着た観光客の方を見かけることが増えてきました。記念撮影のご依頼をいただくことも増えましたが、よく相談されるのが「どこかおススメの撮影スポットはありますか?」ということです。
金沢関連の情報誌や雑誌は増えてきましたが、地理が分かりにくい初めての場所で撮影スポットを決めるのは難しいと思います。
そこで今日は金沢での着物撮影に役立てていただこうと、出張撮影カメラマンの視点から9か所ほどおススメの撮影スポットをご紹介します。
だいたいが観光マップなどに載っている有名な場所ですが、着付け場所からの移動のしやすさや立ち寄れるお店の豊富さなどもふまえて挙げさせていただきました。
若干の注意点もご紹介しつつ、撮影スポットをご説明しますので少しでも参考になれば幸いです。
最初にお読みください
何度か着物撮影をされた方、金沢に来られた方はご存知かもしれませんが、初めての方に注意していただきたい点について最初にご説明します。
1,着付け場所とホテルのエリアを上手く考える
基本的に金沢は中心地に多くの観光スポットが集まっているので、移動やスポットめぐりはしやすい観光地にはなります。
ただ、着物で散策をされる場合は慣れていない方だと通常の洋服よりも何倍も疲れます。また金沢の雨の多さは有名ですので、天気の悪い時期は移動もかなり面倒になってきます。
そこで着物での散策を観光コースに入れる場合、着付け場所やホテルを訪れたい観光スポットに近い場所に設定すると、少し楽になると思います。
この記事の最後に地図を掲載しますので、そちらも参考にしてみてください。
ざっくりとまとめると、着物レンタルは「金沢駅周辺」「ひがし茶屋街周辺」「兼六園周辺」にお店が多く、ホテルは「金沢駅周辺」「香林坊周辺」に多くあります。
2,天気が悪い場合に行く場所も考えておく
先ほども書きましたが、金沢は天気が悪くなる確率が非常に高い土地です。年間の半分以上は雨や雪が降る日があるので、観光される場合は雨の日の対策も必須になります。
幸い金沢市内には雨の日でも安心して楽しめる美術館や博物館、公共施設が多くあります。観光地にはカフェなど一時退避できる室内も多数ありますので、事前に候補を挙げておくと安心して散策できます。
なお、着物撮影は完全な晴天より曇りや雨の方が着物の雰囲気が出て、上手く撮影できることが多いです。天気が崩れたら避難できる室内の場所を決めつつ、雨が上がったら外で撮影するのが一番おススメの方法です。
3,着物のレンタル予約・着付け&返却は余裕を持って
金沢の着物レンタルのお店はかなり多いのですが、観光シーズンなど(桜の時期やゴールデンウイーク、お盆休み、秋の紅葉シーズン)はやはりかなり混み合います。
当日飛び入りでレンタルは難しいこともあるので、事前に予約をしておくのがおススメです。
当日の着付けと返却も混み合うことが多くあります。前後の予定を余裕を持って組んだ方が良いですし、着付け・返却も余裕を持って早めに行った方がスムーズにいきやすいです。
以上、3点ほど気を付けていただければ良いかと思います。
ここからはおススメの撮影スポットについてご紹介します。
ひがし茶屋街
金沢を代表する観光スポットで着物で散策する方も多く見かけます。
天気の良い昼間は通りを埋め尽くす人の多さですので、少し写真は撮りにくいかもしれません。
もし可能であれば朝の早い時間や夕方だと少し人の数は減ります。また雨の日だと人通りはかなり減るように感じます。
周りに宿泊施設は少なめですが、レンタル着物のお店と食事・カフェに関しては多数のお店があるので少ない移動で楽しめる場所です。
主計町茶屋街
ひがし茶屋街から浅野川を挟んで対岸にある茶屋街です。
近年はSNSや雑誌で紹介されているので少し人通りは増えましたが、ひがし茶屋街と比べると格段に人通りは少なめです。
金沢らしい裏路地や坂のある街並みを楽しめるので、本格的に写真を撮りたい方には一番おススメの場所です。
食事やカフェの数は少なめですので、それらを利用したい時はひがし茶屋街側に移動するのが良いと思います。
金沢城・兼六園
ひがし茶屋街周辺と並ぶ人気スポットで四季それぞれの花や自然が楽しめます。
1年を通じて観光客は多いスポットなので、お昼の時間帯よりは朝や夕方の方が人は少なめです。
お店は兼六園の入り口近くに数多くあり、金沢城公園の方は休憩所のみです。雨の日は兼六園の方は避難できる場所が少ないので、金沢城内の方が雨天でも楽しめそうです。
観光ついでに写真を撮る程度はあまり問題ありませんが、プロカメラマンに撮影を依頼する場合は撮影許可が必要なことがありますので、事前に管理事務所に確認しておくといいでしょう。
石川県立歴史博物館・国立工芸館
兼六園近くにある近年人気のスポットです。国立工芸館はつい最近、東京から金沢に移転されました。
歴史博物館はレンガ造りの重厚な雰囲気、工芸館はやや近代的な洋風の外観となっています。意外と着物にも似合う場所で、特にレトロモダンな着物と調和する印象です。
館内は展示物が多く、入場者もいるため撮影が基本的に難しいので撮影する場合は屋外でとなります。雨天の時は展示物を見て楽しむのがいいと思います。
石川四高記念交流館・しいのき迎賓館
21世紀美術館や金沢市役所があるエリアにあるレトロな建物です。以前は石川県庁や金沢大学でしたが、移転に伴って展示スペースやイベント会場として活用されるようになりました。
しいのき迎賓館は名前の通り、ドレスなどパーティーに似合いそうな雰囲気です。記念交流館は大学の名残が残り、教室だったところを生かした内装となっています。
イベントやセミナーなどが行われていることも多いため、写真撮影をする場合はなるべく速やかに終える方がいいと思います。
金沢駅
言わずと知れた金沢の玄関口で、世界でも有数の美しい駅にも選ばれている特徴的な形をしています。
駅と言えば近代的な印象ですが、東口(兼六園口)にある鼓門は和風な雰囲気ですので着物での撮影にも合うと思います。
ただし駅と言うことで人は多めなので、他のスポットへの移動ついでに撮影をするという程度がおススメです。
にし茶屋街
金沢市中心地の香林坊エリアから少し南に行くとある茶屋街です。
ひがし茶屋街に比べると少し小さめですが、お店もいくつかあります。
香林坊周辺にある着物レンタルを利用した場合は比較的近いエリアになるので立ち寄ってみてもいいと思います。
長町武家屋敷跡
こちらも香林坊エリアに近く、商人の町である茶屋街とはまた違った雰囲気の武士の街です。
土壁や屋敷跡など独特の重厚感があり、無料または安くで見学できる屋敷跡などが点在しています。
お店やカフェもいくつかあるので、撮影と同時に散策にもぴったりです。
湯涌温泉街
金沢の奥座敷としても知られ、静かな山あいにある小さな温泉街です。
ゆったりとした雰囲気で街歩きをしたい方や宿泊のついでの散策におすすめです。
夏の時期には人気アニメ「花咲くいろは」をモチーフにしたぼんぼりが点灯しています。
これまで撮影した着物写真の一部
⇒ https://kazuyami77-portrait.myportfolio.com/kimono