こんにちは、フォトグラファーの中西です。
フォトグラファーといえば当然、「写真を撮ること」がメインの仕事ですがときどき写真に関する相談を受けることもあります。
「写真展をやりたい」「写真を使ったチラシやホームページを作りたい」などなどですね。
このほか、いくつかお受けしたのが「フォトコンテストをやりたい」というご相談で、実際にいくつかのコンテストをお手伝いさせていただきました。
今日は地域おこしやイベントの一環としてのフォトコンテストをお手伝いさせていただいた経験から「こうすればよりフォトコンテストを成功させられるんじゃないか?」という方法についてまとめていきます。
*今回取り上げるのは地域イベントなどで開催する小規模のフォトコンテストについてになります。 大規模・長期的なフォトコンテストに関しては扱っておりません。
地域イベントでのフォトコンテストとは?
上のページはお手伝いしたフォトコンテストの1つの「内川十楽の市2019フォトコンテスト」(以下、うちフォトコン)のページになります。
富山県射水市の新湊内川地区で毎年7月下旬に行われているイベントで、「今年から企画の1つとしてフォトコンテストをやりたい」と打診をいただき、応募要項や規約づくり、広報や選考方法についてアドバイスをさせていただきました。
簡単にまとめますと、フォトコンテスト用の特設ページとInstagramアカウントを開設し、Instagramのハッシュタグ機能を使ってイベント参加者に応募してもらう形になります。
その後、投稿された応募写真の中からイベント実行委員会に入っている地元商店や商工会が「〇〇商店賞」のような形で、それぞれお気に入りの写真を選出し、地元特産品や自分のお店で販売しているものを商品として受賞者に送るシステムとしました。
イベントは2日間行われるのですが、1日目に投稿された写真を見て2日目に来場される方も多く、「フォトコンテスト応募→SNSでの拡散」という流れでイベントが多くの方に知っていただけたのだと思います。
このように地域密着・小規模で開催でき、普段はあまり知られていない地域の魅力を発信していけるのが、「地域型フォトコンテスト」の特徴になります。
ここからは「地域型フォトコンテスト」を企画する中で大切だと思うことについてまとめていきます。
①地元商店や住民に告知・選考に関わってもらい、特産品やおススメスポットをイベント参加者に知ってもらうこと
僕がフォトコン開催で最も大切にしているのが「地元の方がいかに関わり、地元の良さをアピールするか」ということです。やはり、地元の隠れた魅力やおススメポイントについて一番知っているのが、日ごろそこで生活し商売をする住民やお店の方だと思うからです。
ちなみにうちフォトコンでは新湊内川で営業する6つのお店(カフェやゲストハウス、レンタル衣装など)にご協力いただき、審査員と商品の提供をお願いしました。
各賞の選考には「応募要項や規約に沿っているか」「著作権や肖像権などに問題はないか」のチェックのため、事務局やカメラマンも一部関わりますが、一番重要になってくるのが各お店の方から見て、イベントや地域の魅力を表現した写真になっているかという点です。
受賞者に贈られる商品もそんなに高額なものではありませんが(高くても3000円くらい?)、お店のイチオシや地域の特産品を出していただき、イベントを通じてその地域を知った方がリピーターになっていただけるように工夫をしています。
②SNSを使い、フォトコンテストの運営を楽にするとともに宣伝効果をアップさせること
従来からフォトコンテストを開催するにあたっては、その運営と告知をどのように進めるかが大きな課題でした。相談を受けてきた各イベント主催者さまも「コンテストはやりたいが手間がかかりそう」「応募者が集まらないのではないか」と最初は心配されることが多々ありました。
しかし今はSNSがかなり浸透してきているので、これらをうまく活用すればコンテストの運営と集客の両面で大きな効果を得ることができます。しかも無料のSNSを使うことで従来のフォトコンテストよりも費用面もかなり抑えることができます。
うちフォトコンについてはInstagramを活用しましたが、FacebookやTwitterを組み合わせることもできます。ハッシュタグ(#)の機能を使えば応募する側も投稿しやすく、主催者側も応募作品を簡単にチェックができます。
さらにハッシュタグでイベント名や地域名を入れてもらうことで、投稿写真を通じてイベントの盛り上がりや様子が分かるので、イベント自体の告知や集客にもつながります。
③スマートフォンで撮った写真でも参加しやすい環境を作り、参加者の幅を広げること
地域イベントでフォトコンをやる場合に、かなり重要な点となるのが「スマートフォンユーザーをいかに取り込むか」ということにあると思います。それは地域イベントの場合、ふらっと家族やカップルで立ち寄る人たちも多く、スマートフォンで記念写真を撮るケースが多いからです。
本格的なフォトコンの場合はスマートフォンでの参加を認めていないことがほとんどですし、「フォトコンと言えば一眼レフ」というイメージを多くの方が持たれると思います。しかし、①②を通して見たように地域の魅力を気軽に知ってもらい、多くの人に向けて発信してもらうためには、スマートフォンで写真を撮るライトな写真愛好家をいかに取り込んでいくかが大切だと僕は感じています。
方法としてはいろいろ考えられますが、「スマートフォンの写真で決める賞を作る」「何個かの賞はスマートフォン写真を選ぶようにする」などが手軽でいいかと思います。
スマートフォンで撮った写真は日常感やイベントの何気ないひとコマを写したようなものも多いので、イベントの魅力を伝えたり、何気なくふらっと立ち寄ってみたくなる雰囲気を出すにはぴったりです。
④出展者に参加して良かったと思ってもらえるような作品発表の場を作ること
フォトコンテストに応募される方の動機とすればいろいろなものがあります。腕試しもそうですし、賞金や商品が魅力的ならそれも応募の理由になるでしょう。それと同時に、「写真を多くの人に見てほしい」「写真を評価してほしい」ということも動機になると思います。
多くのフォトコンテストでもやられていることですが、例えば「イベント用のアカウントで受賞作を1つずつ紹介する」「受賞作を集めた写真展を開催したり、フォトブックやカレンダーなどにする」というふうに応募した人に「出して良かった」と思われるようなアフターケアができればその後にもつながるのではないでしょうか?
例をあげると富山市内を走るライトレールを被写体にしたフォトコンテストでは、受賞作を12か月に振り分けてカレンダーを作成し、配布・販売するという副賞があると聞きました。コンテストの開催の相談をお受けしていると「あまり賞金や賞品が出せないんですが・・・」ということをお聞きしますが、写真展やグッズなどで自分の作品が発表されるというのは写真愛好家にとっては名誉で嬉しいことです。
「あのフォトコンテストは応募すれば自分の作品をしっかり扱って、発表してくれる」という信頼が多くの写真愛好家をイベントに集めますし、ひいてはイベントの集客や成功に関わってくると思います。
フォトコンテスト開催のご相談もお受けしています
以上のように4点にわたって、フォトコンテストにこれまで関わってきて大切だと思ったことをまとめてみました。
実際は細かく応募要項や規約、さまざまなトラブルや疑問への対応はしなければいけませんが、写真を気軽に楽しめるようになってきた現在において、フォトコンテストは地域のイベントを盛り上げたり、地域おこしに使える有効なツールです。
ご希望がありましたらぜひお手伝いをさせていただきますので、お気軽にご相談やご質問などお寄せください。