「見る力」と「選ぶ力」で写真が上手くなる

写真教室の講師をしていると、よく聞かれる質問のひとつに「どうしたら写真が上手くなりますか?」というものがあります。このシンプルな質問に対して、私はいつも次の二つの答えを伝えています。

1,まずは数多く写真を撮ること。

2,そして、人の写真も自分の写真もたくさん見て、良いと思う写真を選ぶこと。

今回は、この「見ること」と「選ぶこと」の大切さ、そしてその実践方法について詳しく解説します。

写真を見ていますか?

皆さんは、普段どのように写真を見ていますか?

写真展に足を運ぶ、写真集を開く、SNSで気になる写真をチェックするなど、さまざまな方法があります。特にインターネットの普及により、時間や場所を選ばずに素晴らしい写真を楽しむことができる時代になりました。

しかし、「この写真、きれいだな」「こんな場所に行ってみたい」と漠然と見るだけでは、写真の上達にはつながりにくいものです。そこで、写真を効果的に見るためのコツを紹介します。

おすすめの写真の見方

1,お気に入りの写真&撮ってみたい写真を選ぶ

まずは難しく考えず、心が惹かれる写真を集めてみましょう。

※SNS(InstagramやPinterest)で探す
※「カメラマン 写真」などの検索で見つかるポートフォリオサイト
※写真集や雑誌
また、「自分でも撮ってみたい!」と思う写真も選ぶことが重要です。

2,選んだ写真を分析する

集めた写真について、次のポイントを意識して分析してみましょう。

  • 構図の工夫(被写体の配置、余白の使い方など)
  • 使用されているレンズ(広角・標準・望遠)
  • 絞りやシャッタースピードの設定
  • 撮影アングルやポジション(高い位置か、低い位置か)
  • 光の向きや強さ
  • 色の表現や仕上げ方

3,実際に撮影してみる

身近なものからチャレンジしてみましょう。被写体によっては現地に行く必要があるかもしれませんが、撮れるものはどんどん撮影してみることが大切です。

4,①~③を繰り返す

「写真を選ぶ → 分析する → 撮る」を繰り返すことで、

・自分が好きな写真の傾向が分かる
・自分が得意なスタイルが見えてくる

など、写真上達の大きなヒントが得られます。

「見ること」「選ぶこと」がなぜ大切なのか?

写真の上達には「クリエーション」と「キュレーション」の両方が重要だと考えています。

  • クリエーション(創造):自分の感性を活かして写真を撮ること。
  • キュレーション(選定):集めた情報を分析し、新たな価値を見出すこと。

現在は、インターネットを検索すれば無数の素晴らしい写真が見つかる時代です。その中で、自分にとって価値のある情報を取捨選択し、それを活かす力が求められています。

つまり、「いい写真を撮るためには、良い写真を見極める目を養うことが不可欠」なのです。

写真展は写真上達の絶好のチャンス!

「写真を見る・選ぶ」ことを学ぶ上で、写真展への参加は非常に効果的な方法です。

写真展に出品するには、まず多くの写真を撮る必要があります。そして、その中から「これが自分の作品です」と言える写真を選ばなければなりません。このプロセスを通じて、自然と「選ぶ力」が鍛えられるのです。

さらに、写真展ではSNSとは異なり、通りすがりの人も作品を見てくれます。これにより、自分の写真に対する客観的な評価を得ることができ、多様な視点を学ぶチャンスにもなります。

必ずしもポジティブな意見ばかりではありませんが、フィードバックを受け入れることで、確実に写真のスキルは向上していきます。

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まとめ

写真が上手くなるためには、ただ撮るだけでなく、

たくさんの写真を見ること

良い写真を選ぶこと

が大切です。

「選ぶ → 分析する → 撮る」というサイクルを繰り返しながら、クリエーションとキュレーションのバランスを意識すると、より質の高い写真を撮れるようになります。

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