撮る前にイメージを言葉にしてみると伝わる写真になりやすい

  • 2022年12月12日
  • 2022年12月12日
  • コラム

こんにちは、フォトグラファー&カメラ講師の中西です。

写真教室の講師をやっていますと、参加者の方から「自分はいい写真だと思って人に見せても、あんまり伝わらない」という質問をよく受けます。

「いい写真」というものは人それぞれ価値判断があるので共通なものを示すのは難しい面もあると思いますが、「伝わる写真」というのはいろいろと気を付けて注意を払うことで、技術的に可能なのではないかと思っています。

その1つが今日書いている 撮る前に言葉で表現してみる ということだと考えています。

例1

なかなか言葉で書いてもイメージできないので、実際に写真でご紹介します。

画像1

「1日の終わりに美しく妖艶なバラがどこか寂しく夕日の中で輝く」

私がこの写真で表現しようとしたテーマです 

①1日の終わりに・・・夕方の時間帯、できれば少し青みが入ったマジックアワー

②美しく妖艶なバラ・・・赤いバラのイメージ

③どこか寂しく・・・いくつか咲いている中の1本に絞る

④夕日の中で輝く・・・逆光でメインの一本以外はやや暗めに仕上げる。
できれば光芒を入れたい

というふうに「設定したイメージの言葉」を因数分解していくことで選ぶべき撮影場所や時間、編集方法などを事前に決めています。

実はこのようにテーマを決めると撮影場所や時間帯と天気、カメラの設定、撮影後の編集がおのずと決まってくるため、迷うことが少なくなるというメリットもあったりします。

例2

画像2

イメージは「静寂に包まれた美しき紅葉の世界。現実と虚構の間に」
これを因数分解すると以下のようになります。

①静寂に包まれた・・・人がいない瞬間を狙う。やや青めに仕上げる。

②美しき紅葉の世界・・・色づきがいい時期を狙う。

③現実と虚構の間に・・・雨上がりのリフレクションが狙える時に撮る。
リフレクションが写るローアングルで。
コントラスト上げ、シャドウ下げでくっきり仕上げ。

実はこのイメージ通りに撮るために、ベストの時期を地元の人に教えてもらったり、雨の日をひたすら待ったり、観光客がものすごく多いので人が通らない一瞬を2時間じっと待ったりしています( ;∀;)

ここまでこだわれるのはほんと条件が整わないとかなり厳しいですが、イメージを事前に組み立てていくつか気をつけるだけでも、写真は大きく変わってきます。

言葉で表現することで、ロケーション・カメラの設定・光の状態・レタッチ方法を絞る

私は写真教室の参加者の方から写真を見せてもらうとき、基本的にはその方の個性や思いが生きていれば特に手直しすることはないのですが、「言葉で言うとどういうことを表現したかったですか?」と聞くことが多いです。

もちろん写真を撮るということを考えれば、感覚的に撮ることも一瞬を反射的に撮ることも十分ありえます。ただ、「伝える」ということを念頭に置いた場合は「撮った人が何を伝えたかったか」というのがある程度言葉で説明できないと、見ている人にも伝わらないのではないでしょうか。

さらに言うと「言葉で写真のイメージを考えてみること」は、ロケーションやカメラの設定、光の状態の選択、撮影後のレタッチのテイストにも大きな影響を与えると思っています(もちろん撮影の現場で事前の予想と違った事態も起きますが、それはそれで対応する楽しみを感じてもらえれば・・・)

カメラマンそれぞれで「伝わる写真」の撮り方は違いますし、私のやり方は1つの例にしかすぎないと思いますが、もし若干でもご参考になる点があれば嬉しいです。

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